今朝、恋した
今朝、久しぶりに恋をした。ぶさいくな若い女の子だった。鯉や金魚みたいな顔をしていたので、スイミーをその娘めがけて撒きたくなった。スイミーは、僕が子供の頃市販されていた魚の餌だ。鯉か金魚か、どっちかの餌なのだが、どっちのやつだったかは忘れた。子供の頃、僕は金魚を飼っていて、父方のじいちゃんが鯉を飼っていた。餌の撒き方に違いがあって、金魚には指で掴んでパラパラ、鯉には手掴みでバッサーと撒いた。たぶんスイミーは金魚の餌だ。今そんな気がした。♪よく食べるスイミー、と歌うコマーシャルがテレビで流れていた。じいちゃんは働き者だった。うちの親父は働くのがあんまり好きじゃなかった。いつもふざけているか、酒を飲んでいるかだった。今の僕と一緒だ。じいちゃんは金持ちだった。うちは貧乏だった。じいちゃんも親父も、僕にギャグを教えた。じいちゃんは、わざわざ自分の部屋に僕を呼び出して、小さく丸めたティッシュを鼻の穴に詰めて、それをポンポン鼻息で出すだけのギャグを僕に教えてくれたことがあった。話がそれ過ぎた。クーラーの効いた居酒屋での最初の数十分の気持ち良さのような、思いを告げることもない恋だった。リラックスした。寝て怒られた。













