素の自分

素の自分というのは、どんなんかなとたまに思う。どんなんかんなー、と思う。それを知るための一番手っ取り早い方法は、とても大ざっぱだけれど、シラフの時の自分と酒に酔っ払っている時の自分をふたつに分けて思い出して、考えることだ。シラフの時の自分は、暗く、無口でその声が低いと思う。その様子を見た人は皆、暗い奴だな、とか、陰気くさい人だな、と思うと思う。反対に酔っ払っている時の自分は、やはり暗いが、よくしゃべり、その声はシラフの時より何オクターブか高くなっていると思う。その様子を見た人の中には、明るい人だな、と思った人もいると思う。そう考えると、あきらかにおかしいのは酔っ払っている時の自分だ。自分の中では、今も暗いなと思っているのに、相手には明るい人だなこいつ、と思われていると思っているのだから。ということは、シラフの自分が素の自分なのか、と思うがそうではない。なんでかというと、僕は一人暮らしの部屋から一歩でも外に出ると、途端に仮面を被っているような気になるからである。ということは、部屋にひとりでシラフでいる自分が、素の自分なのか、と思う。部屋にひとりいる時の自分は、オナニーをするか、何も考えずボーっとしているかのどちらかだ。そうか、素の自分はあの自分なんだな。生きるって素晴らしい。

2011年12月
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